注文住宅の新築では安全・安心に暮らすための対策が不可欠。耐震をはじめ自然災害への備えはもちろん、犯罪から家族の命、資産を守る防犯対策も重要です。年末に向けて防犯意識が高まるこの時期に、ゼロから間取りや設備仕様を考えられる注文住宅の新築だから備えておきたい防犯対策についてご紹介しましょう。

 

▼今こうしている間もどこかのお宅に泥棒が!?

住まいで被害に遭う犯罪といえば侵入窃盗、いわゆる泥棒です。警視庁の2017年のデータによると、侵入窃盗の認知件数(警察が通報を受けて現場に行き、事件と判断すれば被害者から被害届の提出を受けて計上した数)は73,122件。前年比-4.4%と15年連続で減少しています。このうち住宅を対象とした侵入窃盗は37,027件で、前年比-5.7%と、同じく減少していますが、1日当たり約101件もの住宅に対する侵入窃盗が発生。しかも侵入窃盗の発生場所別認知件数は一戸建てが41.0%ともっとも多いのです。

 

住宅を対象とした侵入窃盗の手口別認知件数は空き巣が61.2%と6割以上。外出中だけでなく、夜間もしくは家人が就寝中時の犯行である忍び込みが22.2%、在宅中の犯行である居空きも5%発生しているので用心が必要です。一戸建ての侵入口としてもっとも多いのが窓。続いて玄関など表出入り口、勝手口などその他出入り口となっています。侵入手段としては、鍵の閉め忘れである「無締まり」が多く、「ガラス破り」が続きます。

 

在宅中でも犯行に及ぶ泥棒ですが、一方で、侵入・犯行に時間がかかる、手間がかかることを嫌います。財団法人都市防犯研究センターという機関のデータによると、5分以内に侵入できない場合は約7割、10分以内に侵入できない場合は約9割以上の泥棒が犯行をあきらめる傾向にあるとか。物音や足音、話し声といった「音」、人の気配、センサーライトや外灯といった「光」、近隣や通行人、防犯カメラなどの「目」もあきらめる要因となっています。

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こうしたことから注文住宅の新築では「狙われにくい・侵入しにくい家づくりと間取り」が重要です。狙われにくい・侵入しにくい注文住宅の新築の土地選びや間取り、設備仕様をご紹介しましょう。

 

▼公園の前は危ない?好環境は泥棒に好都合?

注文住宅の新築で土地から探す場合は、利便性や好環境はもちろん、犯罪に遭いにくい、狙われにくいことも頭に入れておきましょう。例えば、目の前に公園がある土地は、環境が良いと好まれますが、夜になると人が少ない、知らない人が長時間過ごしていても怪しまれにくいので、犯行前の下見、犯行後の隠れ場所や逃走経路となる可能性もあります。また、静かですが、人通りの少ない路地、死角の多い袋小路、日中留守の家が多い地域も犯罪に遭いやすいので注意を。

 

▼間取りは安全が整ってこそ快適に

注文住宅の新築の間取りは、家族の要望やライフスタイルに合わせることが最優先ですが、間取りによっては被害に遭う可能性が。例えば、2階がLDKの間取りは泥棒が侵入しやすい1階の様子がどうしてもわかりにくく、玄関にセンサーライトを付けたり、音がする砂利を巻いたりしても気づかない場合も。1階が寝室の間取りは、就寝中に2階から侵入される可能性もあるので、防犯対策が欠かせません。

また、勝手口やガレージから居室に出入りできる間取り、ベランダや縁側、窓のあるトイレやバスルームの間取りも注意が必要です。

 

▼泥棒まで招く玄関ならないように

泥棒の侵入口になりやすい玄関。在宅中だけでなく、留守中もさまざまな人の訪問があり、人か近づいても怪しまれにくいことがネックです。そのため、玄関も勝手口も1ドア2ロックが基本。注文住宅で新築する際は、より防犯性能の高いカギを選びましょう。

手口として多いシリンダ錠のカギ穴に特殊な工具を差し込んで解錠・侵入するピッキングを防ぐには、シリンダ内部もカギも複雑な構造になったものがおすすめ。カギのかんぬき部分と受け座部分をこじ破る手口もあるので、より強固なものも選びます。外側からドアに穴を開け、内側のつまみ=サムターンを回して解錠するサムターン回しも被害件数が多いので、施錠式やツーアクション式など、サムターン回し対策を施したカギにします。

また、玄関扉の横やシューズクローゼットを設ける間取りなどで明かり取り窓を設置する場合は強固なガラスを選ぶ、手が届かない高い位置に設置する、面格子をつける、人が通れないサイズにするなど万全の対策を。


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▼すべての窓に念には念を入れて防犯

 

窓は泥棒にもっとも侵入されやすい箇所。玄関と同じく、カギを閉めていれば大丈夫ではなく、しかもLDKも寝室もすべての間取りに窓がついてくるので、すべてに対策が必要。一戸建てでは雨戸やシャッターが有効なので設置がおすすめです。

現在、住宅の大半の窓にはクレセント錠というカギが使われているのですが、半円のカギを回すシンプルな構造がゆえに、ガラスを割って外側から簡単に解錠されるのがネック。補助錠やセンサーを付けるなど対策しましょう。最近は防犯性能の高い別のカギもあるので検討を。窓ガラスは破壊して侵入されるので、2枚合わせで間に強靭なフィルムを挟み込んだ防犯ガラスがおすすめ。ガラスにヒビが入っても貫通しにくく、穴を開けることも困難です。

一方、網入りガラスや強化ガラスは防犯性が高いと思いがちですが、火災時のガラスの飛散や延焼を防ぐ性能には優れていますが、防犯を目的にしていないので注意してください。間取りによって設置する窓のタイプにも配慮しましょう。

よく使われる掃き出し窓はガラスを割って開けやすく、もっとも侵入されやすいので、間取では、見通しが良い、人がつねにいる、外から接近されにくい居室に設置を。腰高窓は防犯性が高そうですが、標準の設計地盤面から1.4m程度では侵入を防ぎきれません。ルーバー窓は簡単に取り外し、壊すことができるので面格子を室内側に付けるなど対策が必須。開け放ししたい浴室やトイレも窓も面格子をつけるなど対策します。高い位置にあるので安心と思いがちな天窓や換気口の開閉口も被害例があるので、必要最低限の大きさに。出窓は2階・3階に侵入する泥棒の足場にならない間取りが必須です。

 

▼高い塀は泥棒の味方になってしまう!?

注文住宅の新築で犯罪に遭いにくい、狙われにくい家を作るには、周囲から見通しが良い、死角が少ないことが大切です。高いフェンスや生け垣など家を囲うのは安全と思いがちですが、逆に泥棒が目につきにくくなるので、見通しの良いものを選ぶ、高さを抑えるといった配慮が不可欠。庭は植物がこんもり茂っていると泥棒の目隠しとなるので注意。音が出る防犯用の砂利を敷いたり、センサーライトを付けたりすると狙われにくくなります。

ガレージは車を車上荒らしから守るためにもシャッターや門扉が必要。屋根をつける場合、バルコニーや2階への足がかりにならないようにしましょう。

 


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▼頼りになります!最新の防犯設備

現在、注文住宅の新築の防犯設備は精度の高いIT化、AI化が進んでいます。中でも浸透しているのがスマホを使った防犯設備です。エアコンやテレビをはじめ、照明器具や防犯カメラもスマホと連動したものが増え、専用のアプリをダウンロードすれば遠隔操作が可能。外出先からテレビや電気を付ければ在宅を装うことができる上、泥棒は光や音を嫌うので、防犯となります。スマホは苦手、使わないという方にはタイマー付の家電が便利。例えば、タイマー付シーリングライトは帰宅前など設定した時間に自動点灯させることができます。

防犯カメラを取り付けたいけれど、工事などが大変そうという方には、使わなくたったスマホを防犯カメラにすることが可能。簡単に設置でき、アプリをダウンロードして無線LANにつなげれば遠隔操作したり、映像を見たりが可能。同じネットワークにあるパソコンからも映像を見ることができます。

注文住宅の新築の玄関によく採用されるTV付インターホンも録画の質や画面のカラー化、死角のないワイド化と性能が向上。インターホンを押さずとも人を感知して録画したり、スマホと連動したものもあります。また、カメラや家電の操作などさまざまな機能を備えたAI(人工知能)による防犯設備も登場。新築でおなじみのホームセキュリティーもITやAIを導入しており、自宅への侵入があるとそれらが感知して、センターに自動的に通報。安全のプロが駆けつけてくれます。

 

一方で、「防犯対策はバッチリなので、大丈夫」と油断は禁物です。気を付けたいのが施錠。ちょっとそこまでだからと玄関も窓もカギを掛けずに外出はNG。朝、子どもを送っていく、ゴミ捨てに行くといったわずかな間に被害に遭ったという例が多々あるのです。外から留守がわかることも避けます。SNSの投稿も注意を。「○日まで家族旅行中」といった投稿があると、過去の投稿などから住所を割り出し、被害に遭うケースが増加しているそうです。

 


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ヤマヒサでは、お客様の生命、資産を守るため、注文住宅の新築の間取り、設備など、あらゆる面から防犯対策も徹底。最新設備の導入やホームセキュリティープランの加入などもご相談いただけます。

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